日本の農業経営体のうち、約7割が5年以内に引き継げる後継者を確保できていません(2020年農林業センサス)。高齢化・後継者不足が深刻化するなか、農地だけでなく長年培われた栽培技術・販路・地域人脈といった「無形資産」が次々と失われています。

この問題を解決する新たなアプローチとして注目されているのが、企業参入と第三者継承を組み合わせた「経営継承型農業参入」です。本記事では、その仕組み・支援制度・実現ステップを実務者向けに解説します。

深刻化する農業後継者問題

1-1 農業経営体の急減と高齢化

農林水産省の農業構造動態調査によると、農業経営体数は2000年の237万経営体から2024年には88万経営体(約63%減)へと急激に縮小しています。個人経営体の経営者の平均年齢は69歳に達し、60歳以上が全体の80%を占めるという高齢化が進んでいます。

野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部の試算では、現在のトレンドが続いた場合、2035年に個人経営体は約47万経営体にまで減少すると予測されています。売上高1,000万円未満の小規模経営体は大きく減少する一方、1億円以上の大規模経営体は増加する二極化が進む見通しです。

1-2 失われるのは「農地」だけではない

後継者問題を農地の問題として捉えることが多いですが、本質は「経営資産の喪失」にあります。農林水産政策研究所の分析によると、後継者不在率は果樹・水稲・露地野菜で70%前後と特に高く、これらの部門では長年にわたって培われた品種選定・土壌管理・収穫タイミングの技術が失われ続けています。

失われる資産の種類具体的な内容再構築にかかる期間の目安
栽培技術・ノウハウ品種・土壌・農薬管理、収穫タイミングの感覚、気候対応の経験則3〜10年以上
販路・取引関係農協・市場・直販・契約栽培先との長年の信頼関係3〜5年
地域・コミュニティ基盤水利組合・集落営農・近隣農家との協力関係再構築困難なケースも
ブランド・認知地域ブランド・消費者の認知、EC・直売所での顧客基盤5年前後
農地・施設の利用権長期リース契約、農地の集積・集約状況農地バンクでの再確保に1〜3年

【参考文献】
①農林水産政策研究所「全国各地で農業経営継承の危機が深刻化―7割の経営体が後継者なし―」
https://www.maff.go.jp/primaff/seika/pickup/2022/22_07.html
②農水省「令和5年度 食料・農業・農村白書」第3章第2節
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r5/r5_h/trend/part1/chap4/c4_2_00.html
③野村證券フード&アグリビジネス・コンサルティング部「農業の未来─担い手の趨勢的変化と課題」(2025年11月)
https://www.nomuraholdings.com/jp/sustainability/sustainable/services/fabc/report/report20251120_2/main/0/link/20251120_2.pdf

「経営継承型農業参入」とは何か

2-1 農水省が定義する「経営継承」の本質

農林水産省(経営局経営政策課)は農業経営の継承を次のように定義しています(2025年4月更新)。

農水省の公式定義
「農業経営の継承とは、農地や機械・設備等の有形資産とともに、技術・ノウハウ・人脈等の無形資産を次の世代に引き継いでいくことです。」
出典:農林水産省「経営継承」ページ(令和7年4月1日更新)

従来の「農地の貸し借り」や「農業参入」と本質的に異なるのは、事業継続性を担保する無形資産が移転対象に含まれる点です。農地だけを取得する従来型参入では、技術・販路・信頼関係をゼロから構築し直すことになりますが、経営継承型では先代の「生きた経営」を丸ごと引き継ぎます。

2-2 引き継ぐ資産の全体像

資産区分具体的な内容継承時の主な課題
有形資産農地(所有・借地権含む)、ハウス・施設、農機・設備、在庫・作付け状況農地法上の権利移転手続き、設備の修繕・評価
無形資産(技術)栽培・飼養管理技術、品種知識、土壌管理の経験則、気候対応ノウハウ暗黙知の形式知化、移転期間の確保
無形資産(関係)販路・出荷先との取引関係、地域コミュニティとの信頼、ブランド・認知先代からの紹介・引き合わせが不可欠
経営基盤認定農業者資格、農地所有適格法人の地位、地域計画(目標地図)への位置づけ農業委員会・市町村との連携が必要
人的資産雇用従業員・パート、研修生との関係継承後の雇用継続の意思確認が重要

農水省「農業の経営継承に関する手引き」をもとに筆者作成

2-3 継承の3類型と「企業×第三者継承」の位置づけ

継承の類型後継者の属性特徴
親族内継承子・配偶者・甥姪等移転コスト低・信頼関係あり。しかし候補者減少が深刻
従業員継承法人内の役員・従業員技術習得済みで即戦力。法人形態で多い
第三者継承(外部)無関係の個人・企業マッチングが必要。企業が参入する際に活用されるモデル

農水省「経営継承」ページ、農業の経営継承に関する手引きをもとに筆者作成

「経営継承型農業参入」は、この第三者継承を企業的主体(法人)が活用するモデルです。新規参入企業が農業法人や個人農家の経営資産を丸ごと引き継ぐことで、農業参入障壁を大幅に低下させながら、地域の農業経営を存続させることができます。

【参考文献】
④農水省「経営継承(農業経営の継承)」ページ(令和7年4月1日更新)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/keieikeisyo.html
⑤農水省「農業の経営継承に関する手引き」(農水省委託調査、NPO日本プロ農業総合支援機構)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/attach/pdf/keieikeisyo-13.pdf
⑥全国農業会議所「農業経営の第三者継承」(農業をはじめる.JP)
https://www.be-farmer.jp/recruitment/devolution/

なぜ今「企業×第三者継承」なのか:制度的背景

3-1 農地関連法制の規制緩和(2023〜2024年)

農業参入に関する制度環境は、ここ数年で大きく変化しています。主な変化を以下にまとめます。

改正・施策時期内容と参入への影響
農地法改正:下限面積要件の撤廃2023年4月都道府県が定めていた最低取得面積(例:50a)が撤廃。小規模農地でも参入可能に
農地所有適格法人要件の緩和2024年農業関係者の出資割合要件を1/2超→1/3超に引き下げ。一般企業が主導する農業法人設立が容易に
地域計画(目標地図)の策定義務化2023年度〜市町村が農地の将来担い手を明示。計画に位置づけられた経営体が各種支援の優先対象に
農地中間管理機構の機能強化継続農地バンクを通じたリース契約の円滑化。リース法人数が農地法改正前比で約5倍に増加

農水省各種資料をもとに作成

3-2 施設園芸・ハウス農業における経営継承型参入の有利性

経営継承型参入は、特に施設園芸・ハウス農業において高い有効性を発揮します。その理由は次の通りです。

施設園芸における経営継承型参入のメリット

  • 有形資産の価値が明確:ハウス・設備・農機は物理的に評価可能。新設コスト(数千万〜億円規模)の回避につながる
  • 事業継続性が高い:品目・仕様・出荷先が確立しているため、継承直後から売上を確保しやすい
  • 技術移転が構造的:施設内環境制御・養液管理等の技術は先代との重複稼働期間で習得可能
  • 規制の観点から有利:農地上のハウスは農地転用を伴わず、農業委員会の利用権移転手続きで対応可能

3-3 一般的な農業M&Aとの違い

農業法人M&A経営継承型農業参入(第三者継承)
対象農業法人(法人格のある経営体)個人農家・農業法人の双方に適用可能
スキーム株式取得・事業譲渡農地利用権移転+経営資源の移転(農業委員会関与)
対象者規模法人経営(全体の4%)個人農家も対象(全体の96%)
公的支援一般M&A支援(税制等)農水省・市町村の経営継承支援(補助・相談)あり

【参考文献】
⑦農水省「企業等の農業参入」ページ
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/kigyou_sannyu.html
⑧経団連「次期食料・農業・農村基本計画に向けた提言」(2024年12月17日)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/088_honbun.html
⑨日本M&Aセンター「農林水産業界のM&Aと事業承継の動向(2025年最新)」
https://www.nihon-ma.co.jp/sector/agriculture.php

活用できる主な支援制度

4-1 経営継承・発展等支援事業(令和7年度)

農林水産省と市町村が一体となって支援する制度で、第三者継承・従業員継承・親族内継承のいずれも対象となります。

項目内容
対象者地域計画の目標地図に位置づけられた先代事業者(認定農業者等)から経営の主宰権の移譲を受けた後継者(親族・第三者・従業員いずれも可)
補助額最大100万円(国・市町村がそれぞれ1/2を負担)
対象経費経営発展計画に基づく取り組み(販路開拓、新品種導入、農業省力化機械・システム等の導入、施設整備等)
要件経営発展計画の策定、主宰権移譲の証明(令和6年1月1日以降)
注意点市町村の予算措置が前提。新規就農者育成総合対策の経営開始資金との重複不可

出典:農水省「経営継承・発展等支援事業(令和7年度)」

4-2 世代交代円滑化タイプ(2024年度補正予算・新設)

2024年度補正予算で新設された制度で、経営継承に特化した初の大型施設支援スキームです。第三者継承での就農者を明示的に支援対象に加えた点が重要です。

支援メニュー補助率対象経費
メニューA:修繕・撤去支援2/3(国1/3、都道府県・市町村1/3)継承した施設・農機の修繕費・撤去費、専門家(税理士等)への相談料
メニューB:新規導入支援3/4(国1/2、都道府県1/4)継承後に新たに導入する施設・農機の購入費

補助上限と対象者
・国が負担する補助額の合計上限:600万円(A・B同時利用可)
・対象:親元または第三者継承で就農した49歳以下の就農者
出典:日本農業新聞「親元就農、支援手厚く」(2024年)

4-3 雇用就農促進支援事業(技術・ノウハウ移転期間の活用)

継承前の技術・ノウハウ習得期間として活用できる制度です。経営継承候補者を雇用して研修させる農業経営体側に助成金が支払われる仕組みで、事実上の「継承前研修期間」として機能します。

項目内容
助成額年間最大120万円(最長4年間。ただし3年目以降は年間最大60万円)
支援先継承者候補を一定期間雇用し、農業技術・経営ノウハウを習得させる農業経営体
主な要件農業経験5年以上の「研修指導者」の配置、労働保険への加入、働きやすい職場環境整備への取り組み

出典:農水省「農業経営支援策活用カタログ2025」

4-4 支援制度の全体像(活用カタログ)

上記以外にも、農業近代化資金・日本政策金融公庫の融資、産地生産基盤パワーアップ事業など、継承後の設備投資に活用できる制度が複数あります。農水省「農業経営支援策活用カタログ2025」に一覧が整理されています。

農業経営支援策活用カタログ2025(農水省)
2025年度予算を中心とした経営継承・企業参入・就農支援の補助スキームを網羅したPDF資料
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/chiikikeikaku_catalog2025.pdf

【参考文献】
⑩農水省「経営継承・発展等支援事業(経営継承関係)」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/keieikeisyou_hatten.html
⑪令和7年度経営継承・発展等支援事業 補助金事務局サイト(FAQ含む)
https://keisyou-hatten.maff.go.jp/
⑫農水省「農業経営支援策活用カタログ2025」(PDF)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/chiikikeikaku_catalog2025.pdf
⑬日本農業新聞「親元就農、支援手厚く 農水省 継承した施設・機械の修繕に補助」
https://www.agrinews.co.jp/news/index/275875

経営継承型参入の実現ステップ

経営継承型農業参入を実現するための標準的なプロセスを5ステップで解説します。個人農家からの継承を前提にしていますが、農業法人へのM&Aの場合もステップ2〜4の考え方は共通します。

(1)対象農家の探索・マッチング

相談窓口:都道府県農業経営・就農支援センター、全国農業会議所(農業をはじめる.JP)、農地中間管理機構(農地バンク)、農業参入フェア(農水省主催・年1回)
ポイント:継承を検討する農家は「公開」していないケースが多いため、支援センターへの登録・相談が最短経路

(2)デューデリジェンス(経営資源の把握)

有形資産の確認:農地(権利・境界・転作制限)、施設・農機の状態・修繕履歴、負債・リース契約
無形資産の確認:販路・出荷先との関係、栽培技術の移転可能性、雇用従業員の継続意向、認定農業者・地域計画上の位置づけ
ポイント:農業特有の「農地法上の権利関係」「農業委員会との関係」を一般M&A専門家だけでなく農業経営サポートセンターの専門家に確認することが重要

(3)継承スキームの設計と行政手続き

スキームの選択肢:①個人農家→法人化と同時に継承(農水省が支援対象に明記)、②既存農業法人の株式取得・事業譲渡(農業法人M&A)
農地法手続き:農業委員会への農地利用権(賃借)移転申請、または農地中間管理機構経由の貸借
地域計画の確認:継承後の経営体が市町村の目標地図に位置づけられるか事前確認が必須(補助要件)

(4)技術・ノウハウの移転期間(重複稼働期間)

期間の目安:最低1作期(6ヶ月〜1年)、理想は2〜3年の重複稼働
活用制度:雇用就農促進支援事業(年間最大120万円・最長4年)で有償研修として組み込み可能
重要手続き:「生産技術指導契約」を書面で締結し、移転する技術・知識の範囲を明確化する。農水省「経営継承契約書」様式例を活用

(5)正式継承・補助申請・経営発展計画の実行

正式継承のタイミング:主宰権移譲(認定農業者の名義変更、農地利用権の正式移転)をもって経営継承の完了
補助申請:経営継承・発展等支援事業(最大100万円)、世代交代円滑化タイプ(最大600万円)を申請
発展計画の実行:販路拡大、次世代型施設への更新、スマート農業技術の導入等を計画的に展開

【参考文献】
⑭令和7年度経営継承・発展等支援事業 FAQ(農水省)
https://keisyou-hatten.maff.go.jp/faq1_1
⑤農水省「農業の経営継承に関する手引き」(契約書様式例あり)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/attach/pdf/keieikeisyo-13.pdf
⑮農水省「経営継承」ページ(各種様式例・ハッピーリタイアメント宣言等)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/keieikeisyo.html

成功事例に学ぶ:経営継承型参入のポイント

6-1 元公務員が3年かけてフルーツ農園を継いだケース

全国農業会議所の相談窓口を通じてマッチングし、約1年で先代農家と出会い、翌年移住・就農研修を開始。先代と共同で農業経営を学びながら、その後段階的に交渉を進め継承を実現した事例です。

成功のポイント

  • 仲介機関(農業会議所)を活用し、利害関係のない第三者が交渉をサポート
  • 就農・研修段階から先代と信頼関係を構築してから継承交渉に臨んだ
  • 焦らず段階的に進めることで、暗黙知の移転が可能になった

6-2 精肉店経営者が養豚場を継いだケース

農業経験のない精肉店経営者が養豚農家を継承した事例。先代との間で「生産技術指導の年間雇用契約」を書面で締結し、技術移転を有償・計画的に実施。1年後に事業譲渡契約を締結し継承を完了しています。

成功のポイント

  • 無形資産の移転を「契約」によって明文化し、先代の技術・ノウハウを計画的に習得
  • 十分な自己資金を確保し、負債を引き継がない形で資産を一括譲渡
  • 既存の取引先(精肉店)との連携により、継承後の販路を即時確保

6-3 成功の共通要素:4つのポイント

ポイント具体的な対応
① 第三者機関の活用農業経営・就農支援センター、農業会議所、専門家(中小企業診断士・税理士・農業経営コンサルタント)を仲介に入れる
② 技術移転の書面化農水省「経営継承契約書」「生産技術指導契約書」様式例を活用。移転する技術・期間・報酬を明文化する
③ 十分な重複稼働期間最低1作期(理想は2〜3年)の先代との並行稼働期間を設計に組み込む
④ 地域関係の引き継ぎ先代農家から近隣農家・農協・水利組合等への紹介を段階的に行ってもらう。地域コミュニティとの関係は最も再構築コストが高い無形資産

農水省「農業の経営継承に関する手引き」・優良事例集をもとに筆者作成

【参考文献】
⑤農水省「農業の経営継承に関する手引き」(優良事例収録)
https://www.maff.go.jp/j/keiei/attach/pdf/keieikeisyo-13.pdf
⑯農機具買取コラム「農業を継承するには?第三者から農業を引き継ぐためのポイントを紹介」
https://www.agri-ya.jp/column/2023/03/29/how-to-inherit-farming-taking-over-farming-from-a-third-party/

政策トレンドと今後の展望

7-1 2024〜2025年の政策的追い風

経営継承型農業参入を後押しする政策の流れが急速に強まっています。

政策・制度時期内容
食料・農業・農村基本法の改正2024年6月25年ぶりの抜本改正。「農業者の確保」「経営継承の促進」が基本理念に明記
新食料・農業・農村基本計画の閣議決定2025年4月初動5年間を「農業構造転換集中対策期間」と位置づけ。49歳以下担い手数の維持を明示的なKPIに設定
農地所有適格法人要件の緩和2024年農業関係者出資割合1/2超→1/3超に引き下げ。一般企業主導の農業法人設立が容易に
スマート農業技術活用促進法の施行2024年10月スマート農業技術の計画的導入を支援。継承後の技術革新・収益向上の後押しに

農水省各種資料をもとに筆者作成

7-2 「複合開発」の核としての可能性

経営継承型農業参入は、土地区画整理事業・農振地域での農地集約と組み合わせることで、さらに大きな事業可能性を持ちます。

複合開発との連携シナリオ

① 複数の後継者不在農家の経営資産を面的に継承
② 農地中間管理機構を通じた農地の集積・集約と同時進行
③ 継承した施設・技術・販路を基盤に、次世代型施設園芸団地として再編
④ 農業生産法人を核に地域計画への位置づけを確立→農地の恒久的利用権確保
⑤ スマート農業・環境制御技術の導入による収益性の抜本的向上

7-3 今後の課題

課題対応の方向性
無形資産の「見える化」農水省「経営継承診断票」様式の活用。技術・販路の棚卸しを継承前に体系化する
仲介エージェントの不足農業特有の農地法・農業委員会手続きに対応できる専門家の育成。農業経営サポートセンターの活用
継承後の技術・雇用の継続先代農業者との長期技術指導契約、従業員の処遇継続を継承スキームに組み込む
農村コミュニティとの関係継承は「経営資産」だけでなく「地域での立場」の移転でもある。地域の農業組合・水利組合への参加継続が重要

【参考文献】
⑰農水省「新たな食料・農業・農村基本計画」(令和7年4月11日閣議決定)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/
⑱農水省「令和5年度 食料・農業・農村白書」担い手の育成・確保
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r5/r5_h/trend/part1/chap4/c4_2_00.html
⑧経団連「次期食料・農業・農村基本計画に向けた提言」(2024年12月17日)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/088_honbun.html

まとめ

この記事のポイント

  • 農業の後継者問題は「農地問題」ではなく、栽培技術・販路・地域関係という無形資産の喪失問題として捉え直すことが重要。
  • 農水省は農業経営継承を「有形資産+無形資産を次世代に引き継ぐこと」と公式に定義しており、第三者継承は法制度上すべての支援制度の対象としている。
  • 2023〜2025年の農地法改正・農業基本法改正・新基本計画策定により、企業が第三者継承を活用した農業参入を行いやすい制度環境が整備されつつある。
  • 経営継承・発展等支援事業(最大100万円)、世代交代円滑化タイプ(国負担最大600万円)、雇用就農促進支援事業(年間最大120万円×最長4年)を組み合わせることで、継承コストを大幅に圧縮
  • 成功の鍵は、無形資産の書面化・十分な重複稼働期間の確保・第三者機関の活用

農業の後継者問題は、見方を変えれば有形・無形の経営資産を適正な価格で引き継ぐ「農業事業承継」のビジネスチャンスでもあります。都道府県の農業経営・就農支援センター、または農水省主催の農業参入フェアへの相談からはじめてみてください。

相談窓口・関連リンク

・農業経営の継承 総合ページ(農水省):https://www.maff.go.jp/j/keiei/keieikeisyo.html
・農業をはじめる.JP(第三者継承マッチング):https://www.be-farmer.jp/recruitment/devolution/
・農業参入フェア2025(農水省・日経ビジネス共催):https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/sannyu/kigyou_sannyu.html